私の子供の頃(昭和)、和室がまだまだ多かったご時世。欄間に組子をはめるのが流行りまして、幾何学の透かし模様が新しく、洒落た印象だった記憶。でも、今では家の中に和室が無いお宅も増え、日常空間で組子を愛でる機会は激減しています。
組子は、飛鳥時代から続く木工芸の技術。
細い材を切りそろえ、溝やほぞを使い、釘を使わずに、模様を組み立てていく技法。
(この辺りの説明は、福井県家具建具協同組合のHPの説明が簡易で分かりやすいので【こちらをご参照】)
「地組(枠)」のマス目ひとつひとつの中に、「葉組子(模様)」を作る小さい木片をはめ込んでいく作業も緻密ですが、その手前の工程で、木片を作るところがまた緻密な作業が要求されます。
角度が合わないと、はまらなくなりますし、はまっても余計な隙間が出来れば悪目立ちしてきれいじゃない。地組のマス目はサイズが細かくなれば、葉組子も小さくなるので、精度も更に要求される…
今のように製材やカット、研磨の一部が機械化されていても楽な作業ではないのに、手作業だった時代の組子はどんなに時間が掛かっただろうかと思うと、気が遠くなります。
作っている職人さんにヒアリングすると、木片を作るために、切ったり磨いたりで捨てる部分が、使う部分の倍ほど出るので、『贅沢な材料の使い方』をする細工物なんだとか。
明らかに装飾が目的の技術。
透かし模様で光と影を切り取る技術。
素材を活かしてより美しく、と試行錯誤した結果の積み重ねですから、時々の作り手の遊び心の蓄積とも言えますよね。
木の肌の色は、点灯しなくても心安らぐ色合い。飽きの来ない風合い。手毬灯り。
組子の手毬照明は、サッカーボールのように五角形と六角形を組み合わせた球形。行燈形の組子照明は見かけたことがありますが、球形はあまり見たことがないので面白いなと思いました。
信州(長野)の赤松使用。仕上げにクリアラッカー塗装。W200XD200XH200mm、コード1.2m、口金E17、LEDランプ付き
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