言葉や、手書きの文字に、言霊や想いがこもると信じるこだわり派におすすめのガラスペン。
自分のために日記を綴る、誰かに想いを伝える、そんな時に手書きの文字を、より美しく見せてくれるのがガラスペンの文字。
店主の私的印象ですが、漢字のように画数が多い文字を使う私達日本人には、ガラスペンのように細く一定の太さで書ける筆記用具は、書き上げた全体が美しく整って見えやすいなと思います。
何より、宝石のように美しい透明感。
眺めているだけで時を忘れるようです。
「がらす工芸札幌」の代表、藤岡幸雄さん。
理化学の実験に使用する、精密ガラス器具を作り続けてきた職人さんです。
実験用の器具は、一つ一つが特別な要件を満たさなければならず、
かつ、今存在しないものを作るという繰り返し。
ガラスは、熱で溶けた状態で加工して、冷えて固まった状態で使用する。
状態が異なる訳ですから、素人がいきなり出来る、気楽なモノづくりではないですよね。
使用目的がはっきりしているので、その用途に使えないとなると、どんなに美しくでもダメ出しされるのでしょうから、54年のキャリアと聞いた時に、ただただ凄いなと思いました。
人の期待に応え続けてきた重み=藤岡さんの技術の価値ではないでしょうか。
ガラスペンの素材は、理化学の精密ガラス器具にも使用される「硬質ガラス」。
軟化する温度が高く、熱膨張率が少ないガラス。つまり、急激に温度を高くしても割れにくいガラス。
別な言い方をすると、「丈夫なんだけど、とても加工しにくいガラス」。
藤岡さんの工房では、ガスと酸素ガスを混合させて燃焼させる「酸素バーナー」の炎でガラスを溶かし、ガラスペンを成形します。バーナーワークやランプワークなどと呼ばれるようですが、その作業温度たるや、1700度の高温。
ちょっと、日常生活では想像が出来ないような温度です。
「炎の魔術師」なんて言葉が浮かんできました。
店主、ガラスの現場は見たことがないので、バーナーワークの難しさとは?という質問をしてみたところ、「両手を同時にバランス取って動かすことかな?」と奥様。
溶けたガラスは重力で下に落ちていこうとしますから、回転させたりしながら、形を作ることは、確かに難しそうです。刻々と変化するガラスに目配りしながらディテールを作るのは、タイミングとスピードも必要でしょうからね。手元にあるガラスペンが本当に美しいもので、どうやったらこの美しいものが出来上がるのかを思いつつ、飽きることなく眺めております。
そうそう、藤岡さんの工房は、奥様はじめご家族で製作されている工房なので、一家がガラス職人さん。家族ならではの協力体制と、身内ならではの厳しい目でモノづくりを進めているのが、がらす工房札幌なのです。
明治の頃に、風鈴職人さんが、ガラス製のペン先を作ったのが始まりと言われております。海外にも輸出され、今では世界各地で作られています。ちょっと意外な、日本発。
通販掲載している商品で、特に面白いガラスペンとして注目していただきたいものは、色砂入りのペン。
砂時計のように、砂が動くくびれがあるガラスペンなのですが、理化学器具を製作してきた藤岡さんならではの細工かなと思います。
がらす工芸札幌のペン先は、どれも心持ち細字寄りの中字です。
店頭では、試し書きをしてもらえるガラスペンをご用意しております。
こんな繊細なガラス細工だから、壊すのが怖い!とおっしゃる方が多いですが、そんなにやわでもございませんよ。ご安心下さい。
とにかく一度書いてみれば「あっ!」とひらめくはずです。滑らかな書き味は、普段使っているボールペンとは比べ物にならない特別な感触。
ガラスの細いペン先がするりと滑る書き味は、万年筆のペン先のようなしなり方はしませんが、優しく感じます。
筆圧をかけずともすらすらと書けるので、力を抜いてOK。普段よりも自由なラインの文字が書けます。
ガラスペンは、「水性インク」を使って書きます。インク壺に、ペン先を浸して引き上げた時の感動。ガラスの溝にインクの色が走ると、ハッとする美しさです。
美しいペン先は、インクを弾くことなく、表面張力でインクを溝に抱え込み、1回浸すと、私の場合、便箋1枚ぐらいの文字数がスラスラと書けました。
小さな容器に水を入れ、そこにペン先を浸して洗えば、すぐに違う色のインクが使えるところが素敵。万年筆だと前のインクを洗ったり、カートリッジの交換は使い切らないともったいないなど、制約がありますが、ガラスペンはその辺りが簡単なので気軽に楽しめます。
※お隣の西村文具さんに協力いただき、人気の色インク3色の特別セットを2つご用意しました。【通販はこちら】
ガラス工芸札幌へ、修理の取次をいたします。
ペン先修理代¥1000~¥2000+往復送料はご負担いただきます。
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