「安全な食材を選ぶように、食器も安全なものを選んでもらいたい。」
横浜ウッド(YOKOHAMA WOOD)はブランド名。TOMATO畑というメーカーが作っている安心安全な漆器です。TOMATO畑は、使う方の健やかな食生活のために、安心して使っていただける木の器を作り続けてきた会社です。
TOMATO畑のご紹介を簡単に。以前は中国に工場拠点があったのですが、数年前に現地で震災に見舞われ、現在は生産拠点を日本に移しております。その辺り、大変だったと思います。廃業も覚悟したと後で聞いておりますから。
TOMATO畑が中国での生産を始めた訳は、当時の日本では、純粋な意味で、薬剤を使わない漆製品は作れないと感じたから。
日本では、漆は98%輸入しております。
輸入される漆は、現地で精製されたり、溶剤を付加したり、素のままで輸入されることはございません。
なぜなら、日本に輸入され蓋を開けた時までに使い易い状態を保つためであり、やむを得ない部分もあります。しかしながら、国や工場によっては、付加する溶剤や油分も変わるし、品質を厳密に担保することが出来ないのも事実。その為に、日本では輸入時の検査もしておりますが、添加された溶剤や油分を取り去ることはできません。
無薬品の木地や漆が手に入る場所を求め、目をつけたのが中国の原生林。中国政府とかけあい、自生している樹のうち、間伐材処理で切り倒されるものを使用し、漆を自分達で調達~精製し、「安心で安全な木の器」を作ってきたのですが・・・
数年前に現地が震災で運営していくことが難しくなり、せっかく築いた基盤を手放し、日本に戻ることになりました。従業員の再就職先を探して斡旋し、日本での工場再建のための土地探しに材料探し、壮絶な苦労の連続だったと思います。
現在は神奈川工房を再建し、日本に腰を落ち着けて国内生産をしております。一部商品は中国でのコネクションを活かして製造しておりますが、それも日本では大きく育たない樹種なので、ちゃんと理由があってのこと。ちなみに、ナツメ材です。店主も愛用しております。
国内生産の体制は日本の規格で厳しくチェック。例えば、ケヤキのお椀は飛騨高山で薬剤散布されることなく育てられた無農薬の木材を使用しております。使用する事前に、溶出検査を実施し、1本1本農薬成分の検出が無い事を確認しながら使用している徹底ぶり。ヘリコプター散布された農薬は、意図せず広がることもありますから、その可能性も検査して除外を実施しております。
そんなこだわり方をしているけれども、製品価格はとにかく安いと思います。店主が見るに、同じ仕様なら2倍3倍の値付けをしてもおかしくない品質。これは、今の日本の相場では、家族全員のものを揃えることが難しいと感じる田中社長の強い意志のもと、経費節約を徹底して実現している価格設定なんだそうです。
まずは使ってみて下さい。軽くて手馴染みがよく、食べ物が美味しく見える温かい木の色。実用の、普段使いのいつもの木の器。気に入っていただけたら、ご家族分、揃えてみて下さい。
そして器はいつかみすぼらしくなり、買い替え時がやってきたら、また横浜ウッドブランドの拭き漆のうつわを選んでくださればと思います。
良いものは買い支える、そんなムーブメント作りにご協力くださればと思います。
店主は田中社長の息子さんから、会社について、モノづくりについて、長い長い話をじっくり伺って、涙を流すほど感動しました。その感動のまま私の商品説明も熱が入れば、当店のお客様も試しに使って納得しては家族分を買いそろえる、そんな風にTOMATO畑の器のファンになる方が増えております。
使う人、家族の健康を思い、作られている木の器です。