初めての地下足袋

●初めての地下足袋は、歩きやすく快適でした

今まで履いたことが無い方にとっては、地下足袋の履き心地が気になるところかと思います。

 

実店舗があった江古田は、地元民だけでお神輿を担ぐ頭数が揃うほど、お祭り活動がしっかりした土地柄。彼ら彼女達が神輿を担いで商店街を練り歩く時に、履いている地下足袋に目が留まり、話を聞くと「今時の地下足袋は楽だよ」と言うではありませんか。

 

試しに、おすすめされた型番を履いてみたところ、凄く楽ちんで驚きました。個人の感想レベルですが、以下に体験談を記します。

 

足指の二又があるせいで、靴の中で足があるべき場所に納まる感覚。歩いてみれば、靴底がちゃんと足裏と一緒についてくる感覚。体重移動が素足のように楽に出来る印象があり、歩きやすいです。

 

足の土踏まずのアーチを補助するような形状のゴム底や、エアクッションが入っている底と種類があります。どれも路面の硬さと衝撃を緩衝してくれるので楽。

 

ゴム底は滑りにくく、街中のいろんな路面、マンホールの蓋、傾斜している場所、階段、どこを歩いても足底のグリップが効いて滑らない安心感があります。

 

スニーカーよりも通気性のない綿生地を使っているというのに、スニーカーよりも足蒸れなし。

 

足を覆う綿生地が、適度な張りと柔らかさ。生地が新しい時は多少締め付け感があるが、こなれてくると心地いいホールド感に変わる。靴のようにどこかが当たるという感覚は無い。

足首周りが覆われているので、夏場のクーラー冷えや、冬の寒さからの冷えが軽減した気がします。

 

雨の日に、つま先側の水はねが少ない。スニーカーだとつま先ぐっしょりだったわたくし、地下足袋だと濡れて不快な思いが半減した印象です。 

 

●ほぼ365日、毎日履いてみた

店のユニフォームに似合うように絵付けを施してみた初号機。塗りムラや手のつたなさがありましたがお気に入り。折角なので、歩く感触の変化と絵付けの耐久性とを観察するべく、1年履いてみました。

 

甲を覆う綿生地はそれほど伸びることもなく、慣れて多少緩くはなりましたが基本的には足の形にフィットして締め付けないホールド感があります。

 

靴の中は体重が掛かる辺りが薄くなった感覚があり。中敷きを足すほどではないが明らかにクッション性が落ちたなと感じました。

 

靴底はかかとのゴム底が減って余裕がなくなっており、買い替え時到来。祭り地下足袋は「ワンシーズン」持てばいいという感覚だと聞いていたので、1年休みなく履き続けられたと思うと、思ったより耐久性があったなと正直思いました。

 

絵付けは、面で塗ったところは色落ちは少ないものの、線画の部分は色落ちが大きい。足首周りなどしわが寄るところも線画の落ちが大きい。

 

3~4か月に1回洗う頻度。1年経ってつま先のゴムが少し剥離しかけて隙間が広い部分が出来た時は、ゴム用接着材で修理できました。

 

(まとめ)

祭り地下足袋自体が、春まつりから秋まつりと1年持てばいいやという作りなのかなと思います。底のクッション性が落ちたり、ゴム底の減り具合、洗うとゴム底の剥離が見つかったりするのを見ても、そんな気がいたします。

 

メーカーさんに聞くと「その方の履き方や手入れの方法にもよるので」とのことで、確かに一概に言えない部分もある話。私のように365日頻度で履く方は少ないと思われ、洗う回数も少ないとなれば、2~3年は行けるのではないかなと思っております(わたくしの実験は継続中

●なぜ地下足袋を履いている人は少ないのだろうか(推察)

ところで、こんなに足が楽なのに、何故みんな地下足袋を履かないのだろうかと不思議になりました。

 

地下足袋といえば鳶職や現場作業員のイメージがあり、一般人が履くイメージが無い可能性や、作業履きのイメージが強くて、おしゃれ履きには使えないと思われている可能性も大。

 

祭りで履いたことがある人も、地下足袋は祭り法被と合わせるもので、普段着には合わないと思い込んでいる可能性も大。

 

どこの靴屋でも扱っている履き物ではないから、履き物の選択肢に最初からない人が大半の世の中ということではなかろうかと推察(もったいない)

 

地下足袋は足指が二又なので、普通の靴下では履きにくい。足袋ソックス自体、販売している店が限られているので、そう言ったところも普段履きにしにくい要因。

 

 


普段着の履き物にしにくいのは、イメージの問題が大きいと推察。もっと洋服に合わせたり、カジュアル着物姿や浴衣姿に合わせたり、少し華やかさをビジュアルに加えて、作業服イメージを払しょくしてみようと思い、地下足袋に絵付けを始めた次第。

 

 

歩いたり走ったり、体を動かす時に楽だと疲れも減るし、行動的にもなれます。店主もアラカンになってみて、お客様達が年齢と共に足腰が衰え、動くのが億劫になっていくのを実店舗を通じて見てきました。段々いつも履いていた靴が痛く感じるようになるという変化も身をもって体験したもので、自分が楽ちんだと思う地下足袋が誰かの足の悩みの解決策になればいいなと思っております。