色貝の小鉢

金継ぎ職人こまやが継いだうつわ、小鉢。螺鈿の加飾が金のようにきらきら。螺鈿加飾が好きな職人さんですが、毎度見ているわたくしが、この仕上がりは別格に美しく出来上がっているなと初見で感動した小鉢です。

 

こまやのメモに「色貝+裏金箔」とあったのですが、この細かい貝の裏に金箔を重ねてから貼り込んでいった模様。

 

凡人のわたくしには、過程を想像すると、気が遠くなる内容のメモです。細かいのはもちろんのこと、うつわの曲面に貼り込むとひとつひとつ角度が変わるので、光り方が揃うように向きを変えたり微細な調整を尽くしてこのラインが出来ているということ。

 

薄い貝が、下地のうつわの釉薬の色を拾わないように、釉薬との間に遮断の一層を入れた、それを金箔でやったよ、ということなのでしょう。

 

こまやさんのメモは、私にとって謎解きみたいなことが多いのですが、今回の想像がハズレていたら後日訂正いたします。

 

ところで、私が毎度気になるのは材料の貝の名前と種類特定について。

 

今回は「色貝」

他の時には「メキシコ貝」

かと思えば「アワビ」「黒蝶貝」

 

アワビみたいな種類特定形の呼称

メキシコ貝みたいな産地形の呼称

色貝は見た色合いの印象形の呼称??

 

材料屋さん達の間に、体系的な分類が無いようなのですが、輸入品の貝の現地の名前を聞いても問屋さん自体がピンと来ないので、こんな命名になっているんだろうなと想像はつくのですが、どなたか情報あったら教えて欲しいです(他力本願

 

薄いのに端正な形で、うつわ自体の形が美しい小鉢です。

 

#金継ぎ