誕生日プレゼントにもらった足元パネルヒーターのおかげで、天国!10年間、冬は寒いもの、末端がかじかむのが普通と思ってお店番をしてきたのですが、天国!
万年人類滅亡している当店、寒い季節の人類滅亡は、精神的にくるものがあります。心も体も凍える毎日が数か月続く、それが今回からはゼロ、ナッシング!天国!
他に浮かれる事柄もないので、一生懸命探して浮かれているところです。
12月は、書き入れ時と言われますが、今年はコロナが始まって一番低温、低水域な印象。巷はコロナの影響と景気不安定で鈍さがまだまだそこかしこ。
月初にご来店のお客様に、忘年会やクリスマスの集まりの有無をヒアリングしてみたところ、「決まっていない、多分無い」の回答が9割方。残り1割は既に少人数で集まり、終わったという。年末のドタバタの前に、集まろうという算段だったとか。
コロナになってから、年を追うごとに、イベント熱が冷めているなと感じます(自分も正にそうです)
とは言え、都心へ出れば、人通りも多いし、催事も増えたし、楽しんでいる人はたくさんいますから、自分が今どんな空気感のコミュニティに所属しているかで、見える世界が違うのだろうなと思っています。そして、人は簡単には動かないものだなと、変わらないものなんだなと、感じているところです。
お商売に関しては、巷の空気感を気に掛けて一喜一憂ですが、自分の生活は変わりなく、淡々と過ごしてきたなと思います。食べて、寝て。食べて、寝て。病気もせず、実に平和。
柚子の出回る12月は、柚子皮をみじん切りにして、果汁と大量の塩で漬け、発酵柚子塩作り。私の料理に欠かせない、自作塩味調味料のひとつ。
最初の年に、お試しでと少し作り、これがあまりに美味しかったので、翌年から1年分として、大量に仕込むようになりました。刻む作業で毎年クタクタになるのですが、その労力を掛ける価値がある美味しさなのです。
友達が安い店に行き当たると20個ぐらい買ってきて届けてくれる感じ。お友達の厚意があってこそ、毎年漬けられる、ありがたや。
パートから深夜帰宅し、ワイヤレスイヤホンでYoutubeの音声を聞きながら、黙々と刻むこと2時間。段々、瞑想状態になり、あれこれ考える思考も止まり、静けさの中に浸る時間。
ふと「立ち尽くすもの」という言葉が浮かんで来ました。「ヴァニタスの手記」に出てくる、禍名のようでもあり、真名のようでもあり、私の神様がたまにくれる人生のヒントなのかもしれないと思い、今も心に留め置き中。
この仕込みの一番楽しいところは、果汁を絞る工程。
漫画「おおきく振りかぶって」の作中、監督のモモカンがオレンジを素手で握りつぶしてジュースを作る場面があるのですが、カッコイイ場面として記憶しているわたくし。皮なしの柚子を半分に切って、モモカンごっこ、素手でジュース絞り。
20個分絞り終わる頃には握力が入らなくなるぐらい疲労。
そして、まな板だけでなく、部屋中が柚子の爽やかな香り。
もう今年も終わり、という気分醸成。
まだ半月残っているけれど、あっという間に終わるんだろう。早いな。
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