上野・国立博物館でやっている特別展「植物 地球を支える仲間たち」
何の気なしに見ているだけで4時間近く経っていて、びっくりしました。そのぐらい楽しめました。
夏休みの子供を意識したような展示紹介は分かりやすく、一方で、解説が非常に簡略的なもので、何で?どゆこと?がとめどなくわいてきたもので、後日図書館で関連図書探そうと思い、疑問メモを取りながらの見学。
知りたいという欲求、知識欲、とても心地よい刺激。
最近は、撮影可の展示が多いので、メモ代わりに撮影できるのはとても便利。
入場数を制限しているので、どの展示も人垣が薄いからじっくり見る事が出来、同行した友人と、気付いた事を話し合ったり、楽しかったもので、トイレ休憩したいと足を止めた時に時計を見て、入場から3時間過ぎているのを知り驚愕です。
それほど楽しくて、時を忘れていた訳です。
日本では見られない植物ばかりなので、産地はどこか、その立地からどんな気候かを思い出して解説を読んだり、妄想したり(笑
繁殖戦略や進化や分化の流れ辺りを知るのは大人も楽しめるはず。
食虫植物はいろんな属が進化の試行錯誤で食虫という方向性へたどり着いてるとか、近い属でもないみたいだから、どうして同じ結果を目指すに至ったのか、過程を研究している方もいるのだろうな…何しろ果てしない分野だな~と思い始めた頃、展示の終盤に研究者の紹介コーナーがあって、密かに感動して涙ぐんでしまいました。
不思議だな、知りたいなと思った事柄、着眼点がみなさん独創的。
社会的な有用性は分からないものもありますが、でも経済的に有用かどうかは学問としては意味を成さないんだと思います。生命の不思議、進化の不思議、知りたい、解き明かしたい、分からないままで生活は出来ますが、分からない事が分かった時に、そこに光が当たってその更に先が見えてくる、そんなイメージが浮かんできました。
学問て、専門だけ、専門バカでいられることは現実的ではないと分かります。
関連する事象の網羅性が必要で、総合的な知識がなければ、専門性の深掘りもできない。どれだけやっても終わりが見えない、学問の深い沼を感じてしまう(苦笑)
成果が目に見える形になるまでの時間を予測しようがないような研究も多いだろうなと思うのです。植物相手だと、1年に1回、数年に1回しか実験の結果が明らかにならないものもありそうですしね。
私にとっては、モチベーションを維持するのが難しい仕事に見えるのですが、こういう仕事が大好きで、こんな事が分かったら面白いし凄いよね!と続ける誰かの存在に多様性を感じ、だから人類は発展してきたんだろうなと思ったり。
私は大学の時に都市計画について勉強していましたが、結果が出るまでに自分の人生だけでは足りないかもしれないと思ったら、やった成果がすぐ見える仕事をしたいなと思ってメーカーに就職しインテリア関係の設計を選びました。
私と同じ感覚の人ばかりだと、判明しない謎がずーっと謎のままの気がします。
私には出来ないことをやってくれている研究職のみなさんが、とても有難い存在のように思いました。
そして、それぞれの方がいやいやでは続けきれない研究をしている辺りに、夢と希望を感じます。
研究職をもっと応援するべきじゃないかなと素直に思った次第。
地球を支える仲間たち、というタイトルが、植物と研究者の二重の意味に思えました。
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