大奥1~11巻/よしながふみ

よしながふみの大奥を初めて読んでおります。うちはTV無いからドラマも見てないし、予備知識無しで読み始めた。

 

面白いとは思うのですが、切なくてしんどくて、体のどこかが痛む。読んでるとどんどん傷ついていくような気分。

 

大河ドラマ的に歴史の流れを描いているので、各巻でその治世での主要人物の浮き沈みや死が出てくる。

 

設定世界内では「起こったこと」「事実」として受け止めなくちゃいけないので感情移入すればするほど辛くなります。

 

今の時代の私の感覚で見たら、たったひとつの思い出にすがって何十年も生きて死ぬとか、どうも幸せに見えないような人生なんだけど、登場人物にとっては「大切なよすが」となってたりする。

人生の時間感覚や、思いを抱き続けるモチベーション維持とか、自分のリアリティからするとあり得ないもので、きっと理解できないせいで困惑しているのだろうなとも思います。

 

他人の幸せを、自分のものさしで判断してはいけないなと思います。

 

一方で、自分の中の幸せものさしの存在にも気が付きます。

結構がっちりなものさしで、そこから外れた現実が転がってると、不幸せに見えるし、不幸せに感じてる。

 

自分の柔軟性のなさを感じます。

全然、自由さが無い気がします。

年を取って頑固になったりする、アレと似た変化ですかねぇ、、、

もうひとつ。
「これは、ハッピーエンドの話」など、カテゴライズして自分の経験した枠の中に収めて見ることが出来なくて、読んで胸苦しいんだろうなとも思っております。

 

いい作品だと思うけど、苦手。

 

こういうの、最後まで読まないと、不完全燃焼感が払拭できそうにないので、最後まで読まないと…
(只今11巻(義務感、苦しい

 

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高校の友達いわく、11巻ぐらいだとまだまだ辛い話がしばらく続くよーとのこと。

はあああ~~、、、そうですか。

私の中でいまのところで一番印象的だったシーンが、2巻の万里小路有功が、無茶な素振り1000回でぶっ倒れて「そこまでやらんでも」と言われ「もう何も考えたくないんや」と言う場面。

 

あの絶望感、半端ないったら。

全編通して漂ってる気がしてます。