ユーリ!!!on ICE「努力は1日にしてならず。いくら積めるか。」

店主、最近「ユーリ!!!on ICE」を知り、1話からのめり込んで12話まで一気に見て、「うわー!」と叫びそうになるほど惹き込まれました。2巡目見終わり3巡目も終盤。

店主、CGアニメの動きに、どうしても違和感あり。本作は手描きアニメだと聞いて、見る気になりました。

多分、演出や誇張が入っているから、本物とは違うと思うのですが、私の頭の中のスケートらしい動きが、全部、全部そこにあるような、動きの美しさ圧巻。

 

登場人物が個性強くて、BL風設定も多いし、最初1、2話はツッコミどころ多過ぎ!と思って見ていたのに、あるシーンがきっかけで、急降下でのめり込んでしまいました。

それが、勇利の練習風景。

店主の若い頃は、まだ図形をきれいに描く規定(コンパルソリー)が採点項目だったのですが、あれを黙々とやる勇利の姿がチラッと出たのを見て、「そうか」と気がついたのです。

 

いきなりうまくはならない。最初から出来るひとはいない。だけど、それをやりたいと思う人は、熱意とともに努力を積み重ねる。

どれだけ重ねたら思った結果になるのか、過程は今どこにいるか分からない状態が長いはず。簡単に出来たら、熱意も終わりになりそう。出来たら次のステージが見えるから、好きなうちは、そのなりたいこと/やりたいことに向かって「積み続ける」。

 

すぐに効果や結果が出ないと手放したくなることもある。
ありますとも。自分を振り返り、時に手放しそうになるあれやこれを思っては、胸が苦しくなります。

 

動きや進展が見えないと感じている本人は、ずっと同じ場所でじっと重しを食らっているような気分になりますよね。それで焦るし、もうやっても無駄かもしれないと、弱気になる。大人になっても、似たような問題は繰り返し起こるので、「いつまでたっても変わり映えしないな」と落ち込む。

ある時に読んだ本に、「似ている、は、同じ、ではない」同じところでぐるぐるしているように思えるけれど「螺旋状に登っている」という表現に出会って、目からウロコがボロボロ落ちました。

「積み続ける」ことは、相変わらず苦しさもありますが、積んでる自分を感じる時に、ああ、自分は本当にこれが好きなんだな/やりたいんだな、と迷いが出ても、気持ちを取り戻す感じ。

結果が見える前に積んだ分だけ、達成感など、大きいような気がします。

そして、積んできたからこそ、限界を感じて降りるタイミングを自分で見極められる気も致します。

勇利は、ラストシーズンだと思いながらヴィクトルと過ごす。自分たちの競技人生は短い、というセリフにグサっ。生きているだけじゃダメな事柄って残酷です。好きなのに、もうこういう風には出来なくなると終わりが見える感覚。シビア。

 

ユーリの振り付けをするリリアが「苦しければ苦しいほど、美しい」とつぶやくセリフもグサ。あるレベルを越えて思い通りにいいものが作れる手前は、やっぱり積み重ねる苦しさもある。

 

オタベック。既に上手い誰かに追いつくことより、自分のスタイルを追求。まねぶ相手がいないだけ大変だろうに、誰かと同じことをやっていてはダメだと、自分の方法論を信じて進み続けた勇気も凄いと感じます。

好きなことだから全部楽しいなんて幻想。自分が未経験から小売店始めた事を振り返ってみても、その通り。普通にサラリーマンしていた頃の仕事を思い出してもその通り。楽しい趣味や娯楽だって、最初の出来ないイライラも込みで続けて楽しくなっていくものです。

楽しさ1%のために99%努力を積めた人が1%を味わえるだと思えます。
ドMで結構。私は積むことを楽しもう。

出来ることは出来るうちに、いっぱいやろう!積む、積む!時にへこたれそうになるけど、積む!なんてハイテンションになってくる、見ていると、励まされるんです。寝る前に1話ずつ見ております。

結構真面目なテーマが隠れていて、繰り返し見てもまだ飽きないアニメ。