江古田には、日本大学芸術学部(略して日芸ニチゲイ)があります。
店主が開業した時には、校舎が建て替えられてきれいになっておりましたから、店主の中のニチゲイのイメージは、都会的な無機質。
私の出身大学は筑波なんですが、受験の際、付き添ってきた母が「ここはやめなさい、自殺者が多いの分かる、生き物の気配が少ない土地だもの」と言いましたが、本命の金沢美術工芸大を落ちたもので、春から筑波の芸術専門学群(略して芸専ゲイセン)で田舎暮らし。
舗装されていない場所が多々見られる土地柄、周辺は農地と荒れ野ですから、土埃がすごくって、雨が降れば革靴が泥だらけだし、地方の田舎から都会の「関東」へ出てきたつもりが、田舎よりも土まみれな生活で、デザイン専攻なのにこんな環境でいいのかと、常に劣等感を感じていたかな…ふふふ
もとい。
ニチゲイは、視界に入ってもなかなか足を踏み入れる機会が無かったもので、「卒制展を見に行きませんか?」と喫茶ポルトの森さんから誘われた時には、即答でYES!
森さんはニチゲイの演劇出身。
だから、つてもあって、ちょっとスペシャル企画を盛り込んでの参観ツアーということで、楽しみに出かけました。ポルトと環の定休日が、同じ水曜日だったおかげ様(うふふ
広場、学食、大きな採光窓。
絵画専攻の部屋の床の絵の具汚れがまた、懐かしい風情。そんな風に、私の中の大学を思い出させるディテールがいくつもあって、そんな空間にいるだけでわくわくして、楽しい息抜きになりました。
それにしても、ニチゲイの学生さんの卒制は、どれも素晴らしくよく考えられていて、特にデザイン系の方の作品は、自分がデザイン系卒業しているせいか、感嘆したり感心したり、とにかく楽しかったです。
思うに、今の学生は情報量が多く、自分がやろうとしていることの基礎情報や、その分野のトップ事例、関連情報など、様々な情報をWebから手に入れられるから、出来上がったもののクオリティがそこそこ、いい感じ。実現性とか、その製品の必然性が、私の学生時代の考えていたレベルとは比べ物にならない高さで、素晴らしいなの一言でした。
3時間半掛けて、あちらこちらを見て歩いたのですが、自分が、どんなものからでも何かを感じ取れることが我ながら新鮮な発見だったというか・・・私も、成長したもんだなと、思ったりして。
予想以上に楽しかったおかげで、集中して見て歩いた結果、我に返った瞬間に、感じた疲労の強いこと!当初予定していた自宅での仕事をほっぽらかして、桜台の久松湯へ行くことに。銭湯でくつろぎ、残りの休日を楽しみつつ、疲労を労う作戦。とても、いいお風呂でした。
ニチゲイからの帰り道、自宅近所の路地を通り掛かると、不思議な渦巻き。この通りのどこかのお宅がまいた水なのでしょうか?路地に描かれた渦巻き、連続。なんか、アートなものを見た気分で、思わず激写。ああ、楽しい街です。
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