金地に黒いアルファベットがスタイリッシュなお重。
金箔/箔押しの技術は、前田のお殿様のお膝元、加賀の伝統工芸品。金銀は、徳川家の専売産業だったはずで、今でこそ伝統工芸と言えますが、歴史上は徳川に内緒で研究・研鑽した「ご禁制」でした。
金箔の作り方を単純化すると、
1)延べ棒を溶かして他の金属を加え合金化する
2)箔打紙(雁皮紙)に挟み打ち延ばす:何段階にも別れる
3)切りそろえ和紙(三椏)に挟み保存
2)の打ち延ばす工程で使われていたのは雁皮紙(がんぴし、和紙)。
雁皮紙。店主世代ならガリ版刷りの原稿に使った紙。最近の方なら、水うちわに使われている紙。楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)は和紙の重要な原料。
雁皮という植物。
生育が遅く、山にたくさん生えているものでもないので、今や、タイなど東南アジアからの輸入が多いと聞いております。楮や三椏に比べると、雁皮は耳にしなくなってきている材料という印象があります。
箔打紙としての雁皮紙。
金を打ち延ばすために打ち続けられると、打撃による表面変化で、凹凸の粗さがだんだんと密になります。化粧品の粒子よりも細かい多孔が、皮脂を吸着して化粧品はそのまま=化粧崩れがしない『あぶらとり紙』として活用されております。
最初に蟹を食べた人はエライ!という言葉を中国で聞いたことがありますが、この紙が化粧直しに調度いいと発見した方は本当にエライ!です。女性の味方!
余談ですが、今ではグラシン紙という紙も使われているそうです。グラシン紙は高圧加工で圧縮されて表面が平滑になった紙で、トレーシングペーパーや肉まんの紙がグラシン紙。緻密な質で、半透明に透けて見える感じ。
箔を作るのに和紙(紙)が欠かせない存在。
紙があのキラキラを支えているのです。
これを知った時の店主の衝撃!
デジタル全盛のような世の中ですが、人が何百年もかけて試行錯誤してたどりついた、アナログな紙があってこその美しさがある事実が、素晴らしくて堪らないのです。
わたくしは、アンチ・デジタルではありませんが、アナログありきの価値をみつけるたびに、人にしか出来ない価値があるぞと思っては、何やら意欲がわいてくる・・・
いけません、随分遠回りしました。
お重の話に戻ります。
ご禁制という法を犯し、
作り研鑽してきた伝統の技術が活かされた
こちらのキラキラお重。本体は今どき素材のABS樹脂。
使う時はお気楽に!洋風おせちがきっと似合います。
今どきのおせちにも合う素敵なお重です。
これは、結婚祝いにもおすすめです。
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