映画「ヲ乃ガワ」山口ヒロキ監督
サンドアーティスト「伊藤花りん」さんから紹介されて見てきました。予備知識をインプットせずに見たおかげもありますが、久々のヒット作品。
山形県の小野川温泉で撮影された、SF映画。
小野川温泉は映画作りを通して人づくり、まちづくりを行っているそうで、つまり、資金潤沢な中でやっている活動ではない。山口監督が映画を撮るとなった時に、町をあげて協力したろうし、それに監督達も応えてこの作品が出来たのだろうなと思います。
最初の数分間、画面や音が、
呆気にとられるほどのローテクさとチープ感で混乱。
ホームビデオで撮影した演劇が思い浮かびます。
演劇かと思うようなセリフ回しや呼吸の間。
衣装やら、それらしい雰囲気はあるが、そのものではない。
小さい頃のままごとを思い出します。
「この線の中がお家ね、それで、この石がお金で、
この花がごはん…」みたいな感じ。
SFと言いながら、
メカメカしいハイテク感がぜ~んぜん無い。
CGが無いのです。
例えば、人造生命体という役柄は、
機械っぽい動きをしているものの、中の人丸見え。
おかげで、そのキャラがピンチになると、
こっちは感情移入甚だしくて、ハラハラ。
ストーリーは、前のめりになるようなテンポの良さ。
最後の終わり方も希望が持ててとても良かったと思います。
帰る道々、あれは漫画を、絵のまんま映像化したような
ニュアンスがあって、余計なリアリティ追求が無いせいで、
却って話にのめり込めたのかなと思い至りました。
各場面で、これはこういうことと、妄想する力があれば
どんどん凄い脳内CGに脳内変換されていくのです。
また、そういう余地を残してくれている映画でした。
===
花りんさんが、やはり職業柄か、この映画の光と陰影の
扱い方の自然さが素晴らしいと言っていたのですが、
見れば納得です。
すーっと目に入ってくる絵面で、私が普段目にする映像の類が、
いかにエフェクトだらけだったのかを体で感じる体験でした。
男性諸氏ならご存知の方が多いかと思いますが
及川奈央さんがとても美しかったです。
花りんさんも、チラッと出演していて、ビックリ!
驚いて、変な声が出てしまいました(笑
大学の後輩の土佐くん(明和電機)が劇中のキテレツ楽器の
製作を担当していたのもクレジットで知りビックリ!
11/28まで、渋谷シアターイメージフォーラムで
21:00~のレイトショーのみ。
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