品切れしていた「赤の津軽塗(唐塗)の汁椀」入荷しました。
店主が大好きな漆。
時間が経つほどに美しさを増すのが漆の魅力。
世の中の家電製品やプラスチック製の製品は、経年変化=劣化ですが、漆は経年変化の中に、色が鮮やかになったり、ツヤが増してきたり、滑らかになったり、強度が増したり…と良い方面の変化も含まれる、面白い素材です。
画像の唐塗の赤。
手前の黒い色が、本日入荷したもの。
これが、数ヶ月もすると、上の方の明るい色に変化していきます。毎日見ていると変化に気づかないぐらい、徐々に変わる色合い。
1日2日で分かるようなものではないから、今どきの方には受けが悪い部分でもあります。
以前、ある若いwebデザイナーの方と話した時のこと。
想像は、経験したことを下敷きにこんな風だろうか?と想像する訳で、その経験が無い方との意思の疎通は難しい、というような一般的な話で盛り上がりました。
使った経験が無い若い方に、漆の経年変化の魅力を伝えるとして、ツヤが増す・きれいになるといった感応評価だけでは、「ふ~ん、そうなんだ~…で?」と終わってしまいそうだと言ったところ、【いい言葉】をもらいました。
「ダメージデニムへの愛着に似ている」
私はジーンズへの拘りはいまだかつて持ったことがなく、欲しく無いから持っておりません。だから余計に響きました。経年変化の内容=ディテールは皆無ながら、その心は十分伝わるじゃないの!と若いデザイナーさんをほめたたえました!
若い人はもう。。。なんて言ってないで、こういうことの為にも、若者文化を少しは観察し、ザッピングでいいから知識をインプットしておかないと、世代間の乖離はなはだしくなりそうだなと、件の若者の一言で気付かされました。
「ダメージデニムへの愛着に似ている」を越える表現を、わたくし頑張って見つけたいと思います。
ひとまずは、ビジュアルで分かる、色の変化を、ご理解いただけたら幸い。
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