商品の紹介ではなくて、思う事。
昨年、画像のガーゼマフラーを取り扱うようになって、店主はあることに気付きました。
当初は、店頭を賑やかす季節商品という位置づけで仕入れ。もちろん、環で扱う「売り」が無ければやる意味もないので、素材のガーゼの手触りや厚さ、長さや柄のバリエーションなどを検討しまして、同じようなものは他にもありますが、環では「山本仁商店」の商品を取り扱うことに決めたのです。
仕入れておいてアレですが、店頭で商品説明するより先に、お客様が「あら?」「これ調度いいかも」と足を止め、買って下さる方が多いのに驚きました。
商品を包みながら雑談をすると、私の思っていた商品の「売り」に気がついて下さっている方が多いのです。
●ガーゼ素材で軽い
●暑い季節も暑苦しくない
●汗を吸ってくれる、ハンカチ代わり
●乾きが早い
●洗ってもヨレが少なさそうな厚みのガーゼ
●値段が手頃
●華やかすぎず地味過ぎない色柄
環のお客様は自転車で来店される方が多いのですが、店主も自転車に乗って思うのが、ストール類は、なびかせると移動中は邪魔なのです。口紅がついてガッカリすることもありますから、あまりたなびくのも困る。
店主の感じたもうひとつの売りは、
●ガーゼマフラーの長さ。
このガーゼマフラーは、長さが150cmと少し短めで、自転車に乗った時になびいて邪魔になることが少ないのです。
この話をPOPに書いたところ、お客様から共感をいただき、ますます人気商品となりました。昨年購入されたお客様が「今年はアレ入らないのかしら?」と問合せをいただくくらい。
この商品をお買上げのお客様が色柄を迷っている様子は、気軽に迷っているからとっても楽しそうなのです。
それで、気が付いたのですが、40代50代の女性は、ご自身の美意識も確立されていて、「良いもの」を総合的に選ぶ目があります。
仕事に子育て、介護されてる方もいるでしょうし、日々の暮らしの中では【重たい選択】をたくさんされている方が多いので、こんな風な気軽な選択は、リラックスにつながるのですよね。
そして、皆さんほんのちょっとした発見(あ、これいいかも!?)で笑顔がキラキラしますし、「これにします!」と決められた時にもまた笑顔がキラキラ。
40代50代の女性は、口では5億当たりたい!なんて言ったとしても、実は、大それた幸せを望んでいる方は少ない気がします。
1000円ちょっとのお気に入りのガーゼマフラーを身につけ出かける。そんな小さなお気に入りを一日の中で積み重ねて大きな幸せを感じることを、大事にされている方が多いように見受けます。
開店当初は「自分のお気に入りを見つけに来てもらう店」ということで、【一生使える工芸品】を紹介していこうと意気込んでおりました。店主の勝手な思惑で、お客様の気持ちと別な道を歩んでいたと思います。
徐々に、軌道修正。
もちろん【一生使える工芸品】のご紹介も忘れておりませんが、40代50代の女性が、笑顔キラキラになるお品物も、同じくらい価値のある商品だと腑に落ちてきた今日この頃です。
お客様に、育てて頂いている感覚。
店をやっていて感じる、幸せな感覚。
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