着物を売りたい方と買いたい方を無料で仲介する「着物の架け橋サービス」が少しずつ認知されてきたようで、どんなやり方をしているのか、話を聞きに来る方が増えております。
昨年11月にサービスを開始して数ヶ月ですが、
売りたい方は2つに分かれるなと感じております。
心の中で着物を断捨離出来ている方と出来ていない方。
着物への思い入れが強い方でも、心の中の断捨離が出来ている方は「気に入って買う気になってくれる方やちゃんと着てくれそうな方につなげて欲しい」と言われます。
売値をつけてはおりますが、便宜上のことで、相手を気に入ればただでお渡しするつもりの方もいらっしゃいます。自分には要らないものと切り分けが出来たからこそ、執着が薄め。
一方、心の中の断捨離が出来ていない方は、買った時の価格やその着物にまつわる思い出などを繰り返し話し「大事にしてきたものだから、粗末に扱われたりしたくない」と言う方が多いです。
正直、困るのは、こういう方。
粗末に扱われたくない、の含意は「良い物なんだから安く売るなんて嫌」「この素晴らしさを分かって欲しい」
でも、赤の他人が、その着物に対して、時間や記憶の蓄積もないままで同じように素晴らしいと認識して価値を見出すなんて難しいことだと思います。
まだ、ご自分の中の深い場所で自分のものだと感じているので、手放す為の条件付けがたくさん湧き出るのでしょう。
手放したくないからたくさんの条件をつけて、そこに合致する相手がいないから売って処分したいのに困ったわ…という会話の展開になります。
価値があると感じない人にとって、価値は無いもの。
自分が価値があると思うからといって、他人も同じではないことも多々あるという事実。
売れなければがっかり
→価値を認めてもらえないことで傷つく
売れてもがっかり
→もっと高く売れば良かった、あの人は大事に着てくれるだろうかと気掛かり
出来れば、心の断捨離を済ませてからご来店いただけるといいのにな、と思うことが度重なり、ついこんな記事となりました。
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