いつもご来店下さるお客様から、素敵な言葉をいただきました。
その時の話題は、先日練馬文化センターでお客様が演奏された演奏会。ピアノ、バイオリン、チェロ、ヴィオラ、コントラバスの五重奏でシューベルトの「鱒」。体が揺れて、楽しいな!と素直に感じられる演奏でした。
私は津軽民謡に慣れ親しんで育ってきましたが、クラッシックはほとんど聞いたことがありません。音大に近いこの店のおかげでクラッシックや洋楽器を演奏されるお客様たちと話すうちに、今まで知らなかった音楽を聴くように嗜好が広がりを見せております。
もともと知らないから、鑑賞の仕方も直感的。
多分、私の質問を受けて知らなさすぎて苦笑されるお客様もいらっしゃることでしょう。でも、それが私だから知ったかぶってもしょうがありませんからね。
で、話しているうちにふと気になったことがありました。実は五重奏、それぞれの演奏者は非常にフリーダムに演奏されていた印象で、つまり型通りではなかったようなのです。素人の私が聞いていてそう感じるのですから、開場にいた分かる方達は感嘆したかと思います。
自分事に置き換えると、パターン通りに進行しない音の重なりというのは、次はどうする?という頭の中が相当高回転して大変そうです。そこらへんが気になってお伺いしたところ、
『弾いている時は、頭の中は今の音を追いかけているのではなくて、少し先もっと先を思い描いているんです』
素人には実感しようがない状態です。
分からないけれど、凄いことだというのは分かります。だって簡単に出来ないことですから、そりゃ単純に凄いことじゃないですか。
その時は、へ~ほ~と相槌を打っていたのですが、寝る間際に「最近の私の中の停滞感は、手前ばかり見て、進む先が見えてないからだろう?」と気付きがありました。
日々一生懸命なんだけれど、それじゃダメなんですよね。
どこへ向かいたいのか、もともとの計画とのズレや誤差を感じているなら修正したらいいし、少し遠くを見る目線を持ち直さなくてはいけないなと、気付かせてもらいました。
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