杉浦千里の原画展

こんな風に見ることが出来るんだ!という感動。
こんな風にものごとを見ているだろうか?という自分への問いかけ。

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昨日の休憩時間にご近所にある日本大学芸術学部のA&Dギャラリーで開催中の『杉浦千里の原画展』を見てきました。

私の大学の先輩が日芸で教えているのですが、その先輩から「一見の価値があるよ、土日も開放しているし、見に行ってきたら?」と聞いて、ふらふらっと出かけてみたのです。

日曜の遅い遅いお昼ということもあり、ギャラリーは私の貸切。

図鑑に乗っているような甲殻類のイラストのあまりの美しさと緻密さに圧倒され、声も出ないくらい感動しました。複雑な色合い、複雑な形状、人の目は意外と好きなように見ているものという認識があります。杉浦千里さんは、好きなように見ているのに、本物と同じようなリアルさなんじゃなかろうか?そんな風に感じました。

年のせいで物覚えが悪くなったり、記憶があやふやな時が増えたわたくし。でも、それだけじゃなく、普段から情報量が多いせいで、いろんなことを流し読みして自分の中に留まるものの量がすごく少い生活をしていやしないだろうか。

パソコンを使うようになってから、あるか無いか、ある場合はどこにあるか、そんなインデックスを覚えること優先になっているように思います。知識を、検索とコピペでやり過ごして日々を暮らしているような気がしてきました。

情報が氾濫して…なんてよく言われますが、氾濫していても欲しいものは探しているんだから見つかるのです。その後で、「ふ~ん、こういうものなのか」となぞって終わっていると、自分の中に蓄積されるものは味の薄いうわずみだけになりそう。今はやり過ごせても、何年かした時に、自分の中身が薄っぺらくなってしまいそう、そんな風なことを考えながら「杉浦千里さん」の原画を堪能いたしました。

そういう小難しいこと抜きで、一見の価値ありです。